民主共和国臨時政府執務室

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レーニン『帝国主義』

序盤からブッ込んでいく。


ロシア革命から丁度100年の今年、折角なのでロシア革命に関する本、それもレーニンの本を読んでみようと思った。レーニンといえば、やはり『帝国主義』である。


資本主義が発達するとカネ余りが生じ、投下先を求めて世界分割が起こるけど、陸地の面積は有限だし「持たざる国」は現状打破するためにどっかで戦争吹っかけるよ、その時みんなで革命するんだよ、というレーニンの言いたかったことが、この本を読めば学部生でも分かる。岩波版の訳が上手いというのはあるかも知れないが、とても簡潔に纏っている。

帝国主義戦争に至るまでの資本主義の成長過程が、具体例を交えて細かく展開されていたのもとても面白かった。当然具体例は全て100年以上前のものであるが、如何にレーニンが膨大な資料を掻き集め整理したかがよく分かる。



今出版されている岩波版、なんと冷戦期の頃から何ら変化していない。つまり字体が昔の岩波のままである。しかも訳者がアカ解説部で東側諸国を「解放された」国々として紹介していた。東欧革命を経た現代となっては最早実情に合わない記述がいくらかあるものの、やはり学術的な価値は非常に高いものだと思う。ある意味、新古典派経済の行き過ぎに対する警鐘とも言えるのではないだろうか。


帝国主義 - 岩波書店