民主共和国臨時政府執務室

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"911"について

このブログに書くのは当然陰謀論などという文化的に頽廃した記事ではない。911が無いってのなら真珠湾だって無いんだよ。


大学入試で使われるような「現代文」でも、このネタはイヤというほど使い古されてきた。しかし、未だに強烈な印象に残る出来事だったと思う。

当時僕はまだ幼稚園にも上がってなかった。2001年9月12日から始まる楽しい楽しい帰省を前にして、突然飛行機がマンハッタンのビルに突っ込んだのである。実家が北海道なので飛行機で行かなくてはならない。さあ困った。


首謀したテロ組織アル=カーイダが誕生した経緯を遡ると話がソ連のアフガン侵攻にまで遡って拗れていくのでしないが、それにしてもすごい組織だ。僕はテロ行為を決して決して決して認めないが、ある意味人類史上最も強大な権力に楯突いた連中として名前が残るだろう。彼らの活動は確実に全世界の反米運動に影響を与えた。

どこかの文章で読んだ、アル=カーイダ自身も活動資金集めのためアメリカの産んだグローバル社会を活用しなければならなかったパラドックスというのは深く考えさせるものがある。最早全世界の人間は親米・反米という個人の意思を別にして、必ずアメリカ合衆国の産み出したシステムと対峙しなければならない時代になった。あの北朝鮮とかいうならず者国家ですら、国内の統制の為にアメリカ合衆国の核の存在は不可欠である。流石は世界一の親米国。

しかし、アメリカは絶対に負けないベトナム?知らねぇな。自分の作り出したシステムを相手に利用させて、敵対したら捻り潰す。アメリカ合衆国という国家は、世界が一丸となって戦争を仕掛けても、おそらく勝利出来ないだろう。最早世界の半分以上、あのエスファハンを超えた。



日本もおおよそ他人事ではない。両翼を問わず、アメリカ合衆国とのお付き合いを他の国々とは違う、新しいものへと変化させなければならないし、そのやり方を保守革新の隔てなく考えなければならない。何も媚び諂えと言っているのではない。幸いにも、この70年間彼らとは友好的な関係を築き上げてきた。冷戦が終わった今、唯一のスーパーパワーとして君臨する米帝アメリカとは、これまでの対米感を改めて対峙しなければならない。民族、文化を保って国際社会に平和のうちに参画するか、51番目の州になるか。今のままでは後者である。




そんなこんなで、当時幼稚園児でもなかった僕は今や、こうして大学生になり911テロがもはや歴史の出来事でしかない中高生たちに数学を教えているのでした(今年の高校1年生は2001年度生まれ。9月12日以降生まれの生徒達は当然テロの時にまだお腹の中だった)。おしまい。